ボクノトモダチ―KOENJI ANIMAL STREET

僕的には面白かった。あんまり面白かったので作者の展覧会まで行ってしまった。実際のフィギュアも面白かった。可愛いんだけど、影があるような毒があるような、そんなちょっと複雑なキャラもいい。僕の「ごっこ」心をいたく刺激してくれた。子供のころ身近にあるガラクタを擬人化して、物語を作って、勝手に作ったセリフをぶつぶつしゃべりながら、一人夢中になってごっこ遊びをしていたことを思い出した。あの頃は楽しかったなあ。。。作者は大人になっても、こんな遊びをしていて、それが高じて芸術の域にまで到達させてしまったに違いない。この本に登場するフィギュア（トモダチ）は全部で何体あるのか、数えてみていないが、多分数十体あるだろう。そのトモダチとボクを読者にエピソードを交えながら紹介していくと言う構成になっている。ボクとトモダチの「カタログ本」と言ったらわかりやすいかも知れない。そう、あの頃、「ビックリハウス」「ポパイ」等カタログ本全盛の頃、を彷彿させるような装丁、編集、構成である。ごちゃごちゃしていて、脈略が無いように見えて脈略がある、どきどきしながら次は何かとページをめくる、疲れた頃にはお休みページが、飽きた頃には道草ページが用意されている、そんな「カタログ本」的楽しみもある。この本に対する評価は真っ二つに分かれるのではないかと思う。子供のころ「ごっこ遊び」をしたことのない人、それと「カタログ本」になじめない人にとっては、つまらない本だと思うだろうし、多分手にもしないかも。僕のような両方好きという人間は、にんまりしながら手に取り、高評価を与えることでしょう。