天体による永遠 (岩波文庫)

巻頭に、口絵としてブランキや妻の肖像画、トーロー要塞の絵、あと初版本や手稿の写真。あと略年譜が巻頭にある。ついで、河野健二氏（『パリ・コミューン（上） (岩波文庫)』『パリ・コミューン（下） (岩波文庫)』の訳者）による序文。そして本文の前にまずブランキ自筆のタイトル、ついでランボーの「永遠」が掲載されている。しかしこの詩は当然初版本にあったわけではなく、1972年版編者によるエピグラフとのこと。そして本編の「天体による永遠」。これはアバンスール・プロス編集で1972年に出版されたものを底本としている。そして適宜、初版本を参照したとのこと。後半に収録されているのは、・「天体による永遠」をめぐるジャーナリズムの反響これは初版本出版時の新聞・雑誌等の書評を抜粋したもの。・編者M・アバンスールによる「幽閉者の解放」訳者によると未完らしく、六章目にあたる「<<旅>>としての『天体による永遠』」は、全てR・D・レインの『経験の政治学』からの引用だそうで、それゆえ邦訳ではカットしたらしい。そして付録として付録１：「天体による永遠」の第二版用プラン付録２：モーリス・ドマンジェと「ブランキ監獄年表」モーリス・ドマンジェとはブランキに関して十数冊の著作がある在野の社会史家らしいが、その人の紹介と彼が克明に調べ上げた「監獄年表」を訳したもの。最後に訳者解説。現在だと同じ訳者で、解説等にいくらか手の入った『天体による永遠 (岩波文庫)』が入手しやすい。